貧困家庭で育った子供が一人でも安心して入ることができて、地域のみんなと美味しいごはんをわいわいしながら食べられる。
そんな場所を地域に生み出す「こども食堂」という取り組みが、主にボランティアを通して日本全国に広まりつつあります。
地域によっては、ご近所同士のつながりや多世代の関わりが生まれにくい地域もあります。
人とのつながりを持てず、孤立してしまう人もたくさんいて、新たな課題を生み出す要因にもなっているように思います。
貧困の子供の食事、ボランティア
貧困家庭の子どもの居場所 学生が見守り活動
栃木県では、1人の給食費は年間およそ5万円。
市は小中学校の子ども6,000人分の給食費、2億7,000万円を負担しています。
多額の財源が必要となるため、当初、議会では慎重な意見が相次ぎました。
「低所得者などの貧困層には、すでに給食費などの就学援助があり十分ではないか」「教室のクーラーの整備が優先ではないか」など、今すぐ取り組む必要がないとの声が上がりました。
しかし、経済的に困窮する家庭が増える中、すべての子供が安心して学び、食べられる環境を作るべきだと判断したそうです。
貧困の子供の食事、ボランティア
子どもの貧困を断ち切れ 児童扶養手当2人目以降の増額を求めて
あるお母さんの話ですが、彼女の家には毎週日曜の20時になると家に遊びにくる子供がいます。
その息子さんの友達ですが、いつも遅い時間に遊びに来るので『ご飯食べてからおいで』と言って突き返していたそうです。
そうしたら、今度はその子が食事としているカップラーメンを持ってくるようになって『おばちゃんお湯ちょうだい』と。
彼女はこれまで、すごく嫌な顔をして、お湯を入れて渡していたんだそうです。
それが、ボランティアで運営している子ども食堂や貧困の話を知ってから、そういう子たちには何か、彼らの自己責任ではない理由があるのかもしれないと思うようになりました。
彼らを放っておくことが社会的損失になるかもしれないとも、考えるようになりました。そのお母さんは『今度その子が来た時には、対応が変わると思う』と話していました。
貧困の子供の食事、ボランティア
出来合いの弁当や菓子パンだけで毎日の食事を済ます子供がいます。
家計が苦しく食事を抜く子供がいます。心と体の成長の土台である「食事」が揺らぎます。
様々な生きづらさを抱えた子供たちを、手作りの温かな食事で支えたい。そんなボランティアに支えられた「子ども食堂」の試みが各地に広がり始めました。
「もう、ひとりぼっちで食べなくてすむ」「(給食がない)夏休みの食事が心配だった」。食卓を囲む貧困層の子供たちから、ふとそんな言葉がもれてきました。
貧困の子供の食事、ボランティア
相対的貧困率は悪化しつづけており、厚生労働省の発表によると、16.3%であることが明らかになりました。 教育格差、貧困の連鎖が広がっています。
生活保護を受けている、もしくは、年収が生活保護費とかわらない貧困層の家庭で育つ子供が、6人に1人いるのです。
地域の子供を、地域が見守り、学びや暮らしを有機的に支えるボランティアでのネットワークをつくり、 子供の未来を明るく変えていきたいと願っています。
さまざまなカタチの居場所を通じて、信頼できるおとなや若者につながったとき、一人の子供の人生が大きく変わる可能性があると信じています。