「今晩のご飯はボク1人なんだ」
「お母さんがお仕事の日はお弁当を買って食べるの」
そんなとき、貧困家庭の子供でも1人でも入れるのが“こども食堂”です。
栄養満点の温かいごはんで食事をつくって待っているのは、近所で支援して下さるボランティアの方々です。
貧困の子供の食事、ボランティア
貧困家庭の子どもの居場所 学生が見守り活動
子供の貧困対策として注目を集めているのが「こども食堂」です。
食材は寄付、調理は地域のボランティアが手掛けることが多く、無料または数百円で食事を提供されます。
テレビ、新聞等の報道も増えています。都内を中心に、こども食堂を手掛ける団体が集まる「こども食堂ネットワーク」には、17の食堂が登録されており、食材、寄付金、ボランティアの情報が集まっています。
経済的な理由から、家で満足な食事を取れない子供に暖かい食事を提供する。趣旨に賛同した地域のボランティアや子育て支援などに携わる大人が運営に参加し、こども食堂は社会運動のトレンドになりつつあります。
貧困の子供の食事、ボランティア
友だちに聞いた母子家庭の生活
あるシングルマザーの話です。
「昼も夜も働けば、なんとかなると思っていた。だけど40歳も過ぎると夜の仕事は体力的にもきつい。自分でも甘かったと思うが、今はどうしたらいいのか分からない」。区内に住むパート社員、Aさんだ。
Aさんは、中学3年と小学5年の姉弟を育てている。自宅を訪れてみると、冷蔵庫にテレビなど一般家庭と同様に物があふれ、一見、生活に困っているようには見えない。
しかし、経済状態はかなり切迫しているようだ。5、6年前に子供たちの父親である内縁の夫(48)が他の女性と交際を始めたのをきっかけに家を出た。
その上、自分も15年間、正社員として働いた会社を経営不振と人間関係の悪化から退職し、収入が激減した。
「夫は、家を出てから半年ぐらいは、毎月12万円ぐらい養育費を送ってきた。でも、一度『今月は収入が少ないから待って』とメールが来て『分かりました』と返したら、それっきりになった」とAさん。
探さないのかと問うと、「気持ちがあれば子供のために、数千円でも送金するはず。そんな気持ちがないなら、彼はそこまでの人間。そんな人間と付き合った私がばかだった」と言い切った。今は、どこにいるかも知らず、あえて探す気持ちもないという。
貧困の子供の食事、ボランティア
こども食堂は2012年ごろに都内で始まったとされます。
「こども食堂ネットワーク」によると、食堂は首都圏に少なくとも32カ所あり、半数が15年に開設しました。
経済的理由で十分食べられない子供に栄養バランスのとれた食事を提供するほか、大人数で食べる機会が少ない子の「孤食」を改善する狙いもあります。
取り組みは全国に広がります。宮城県ではNPO法人「TEDIC」(石巻市)が、町内会などと連携し同県内初の食堂をオープンしました。
同法人の門馬優代表理事は「震災で失われた地域のコミュニティーづくりにも役立てたい」という。
滋賀県でも、ボランティア団体や社会福祉法人などが連携し、県内11カ所で食堂を開設しました。
「さみしさやしんどさを抱える子供の居場所づくり」を目標に掲げ、2018年度末までに県内の小学校と同じ約230カ所の食堂を開くことを目指します。
貧困の子供の食事、ボランティア
「子ども食堂」の調理スタッフは有志によるボランティアがほとんどです。
ですが、このボランティアの方たちは、「育児真っ盛りの母親世代」の人も多く、家族をほったらかして食堂運営をするわけにもいきません。
こども食堂は夕方からオープンするところが多いです。これは通常の家庭の夕食時に当たりますので、ボランティアさんに無理強いをするわけにもいきません。
まず経営する側にしろ、運営する人間にしろ「人的資源が不足していた」ということはないようにしてほしいです。